仙波東照宮
東照宮とは時の天下人徳川家康を祀る神社です。
山門から
東照宮といえば、日光が有名ですが、実は川越にも東照宮があります。
それが、喜多院に隣接する仙波東照宮です。
拝殿
本殿
家康は駿府でなくなり、遺骸は近くの久能山に葬られました。
家康の信任を得た当時の喜多院の住職天海僧正は、大恩ある家康を権現にまつり、遺骸を久能山より日光に移して東照宮を草創することを幕府に願い出ました。
そして、天海僧正自ら移送の任にあたったとされます。
久能山までの道すがら、天海僧正は家康の遺骸を喜多院の大堂に安置して、四日間にも及ぶ盛大な法会を行いました。
これにより、日光に東照宮が営まれるのとならんで、喜多院の境内にも東照宮社殿が造営されました。
葵の御紋(徳川家康の家紋)
しかし、その後の川越大火で社殿は類焼してしまった為、今の社殿は再建されたものです。
この再建の際に、当初喜多院の中院を南に移し、さらに土盛りをして再建したそうです。
いまの善美ある仙波東照宮の景観もこのときに形作られました。
鳥居をくくっだ先の高台に社殿が建っている
当時、わざわざ川越に立ち寄り、東照宮を草創した天海僧正の功績で、川越と江戸の交流はますます盛んになったでしょう。
仙波東照宮の草創は、後の小江戸文化形成に大きく影響した一大イベントでした。